実家の片付けを考える際、どのタイミングで取り組むべきか考えました。親が元気なうちに片付けを始めるべきか、病気や介護が必要になってから行うべきか、あるいは亡くなった後の相続の際にまとめて行うべきか。それぞれのメリットとデメリットを私の経験から考えます。
1. 親が元気なうちに片付ける場合
メリット
コミュニケーションがスムーズ
親が元気なうちに片付けを行うことで、親の意見や思い出について話し合いながら、整理を進めることができます。これにより、親の意志を尊重した上で、必要なものと不要なものを一緒に選別できます。ここは非常に大切なポイントです。
大掛かりな作業が可能
片付けは意外と肉体的な負担が大きい作業です。親が元気であれば、家族全員で協力して進めることができ、作業のスピードも早まります。
心の余裕が持てる
健康な状態で、計画的に片付けを行うことができれば、精神的な負担も軽減され、落ち着いた状態で家を整理することができます。仕事との両立も月1回の片付けや年数回の帰省時なら現実的です。
デメリット
タイミングを見つけにくい
親が元気だと、片付けの必要性を感じにくい場合が多いです。親自身も「まだ大丈夫」と感じてしまい、片付けを先延ばしにしがちです。ここは日頃のコミュニケーションも関わってきます。私自身、必要性を理解してもらうのは大変でした。
2. 親が病気や介護が必要になった時
メリット
必要に迫られて片付けが進みやすい
病気や介護の状況に直面した際には、物理的なスペースの確保や生活の整理が必要になるため、片付けが進むことが多いです。実際、片付けに取り組み始めて数ヶ月後に母に癌が発覚し、入院するという想定外の出来事がおきました。
デメリット
心身の負担が大きい
病気や介護が必要な状況では、通院や介護手続き、各種サポートの手配などに時間とエネルギーが取られるため、片付けに取り組む余裕がなくなります。経験上、これらの手続きや対応が日々の生活を圧迫し、物理的にも心理的にも片付けの優先順位が下がってしまうことが多いです。
感情的な葛藤が生じやすい
親が体調を崩している状況で、思い出の品や長年使ってきた物を処分するのは、非常に感情的なプロセスです。急いで片付けをすることで、親の意見を十分に聞けないまま物を捨ててしまうことにもつながりかねません。
3. 亡くなってから片付ける場合
メリット
手続きと同時進行で進められる
相続や遺産分割の手続きと並行して、物理的な片付けを一気に進めることができます。家の売却や相続の話が進む中で、まとめて片付けられることも一つの利点です。
デメリット
感情的負担が非常に大きい
親を亡くした直後に、家や物を片付けるのは心情的に非常に辛い作業です。遺品整理というプロセスが、親の死を改めて実感させるため、心の負担が一層重くなるようです。実際、祖母が亡くなった時の叔母の様子からもこのことが伺えました。
遺族間のトラブルが発生しやすい
相続に関わる物品の整理では、遺族間で意見が対立しやすく、誰が何を引き継ぐかでトラブルが発生することもあります。このような状況が、家族関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
最適なタイミングは「親が元気なうち」
これらのメリット・デメリットを総合的に考えると、やはり実家の片付けを行う最適なタイミングは「親が元気なうち」です。体力や精神的な余裕がある時期に、親と話し合いながら進めることで、後々の負担やトラブルを減らすことができます。
病気や介護が必要になると、片付けは現実的に非常に困難になります。日々の通院や手続きに時間がかかり、整理を行う余裕がなくなるからです。フルタイムで働いている場合は時間の余裕が一層なくなります。そうなる前に、少しでも片付けを進めておくことをオススメします。
ぜひ、親が元気な今のうちに、無理のない範囲で少しずつ片付けを始めてみてはいかがでしょうか。
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