身近な浪費人
私が昔保険会社で営業をしていたことや、FP資格を持っていることを知っている人から、見直ししてもらいたいな〜なんて話を振られることがあります。説明してみてもなんとなく解約するのが不安だとの声多数。
ケース① 60才既婚女性
この方、定年後も仕事を続けています。2人の子ども達は自活しており、夫に万が一があっても困窮する人は自分含め皆無。なのに月5万円を生命保険に投じています。長く継続してきた保険を辞めるのが不安で辞められないらしいです。不安の中身を本人が分かってない。漠然と見えないモノに怯えているらしいです。
しかも、この方は仕事柄、健康保険や雇用保険のスペシャリスト。高額療養費のことや傷病手当金の制度を熟知していても、民間保険がないと不安らしいです。
ケース②45才独身男性
この方、月8万円を保険料に費やしています。婚姻歴はなしで実家暮らし、貯蓄もそこそこある様子。
介護保障のある保険や個人年金に多数加入。契約先は国内大手生保で担当者は親の知り合いだとか。付き合いで契約したらしいけど、本人は内容を分かってない様子。
勿体無いなーと思うも、浪費が本人の意思ならしょうがない。保険料控除あるしなという典型的な分かってないパターン。
まだいる多重保険加入者
保険に未加入だと奇異な目で見られるくらい日本人の保険加入率は高い。公的な保障が手厚い日本にいながら、内容知らずに保険会社に不安を煽られて無駄な保険に入っている人のなんと多いこと。
「私が死んでも死亡保険金ないですよ」という話をすると『大丈夫なの?』と聞かれます。私が死んで感情的に悲しんでくれる家族はいますが、私に経済的に支えてもらっている家族はいないので誰も困窮することはない。たまにご飯を奢ったりだとか、安く生活費をあげている子供たちは少しがっかりかもしれませんが、自分たちで働いて生活できますからね。自活できる大人の為に死亡保険金を残す必要はないでしょう。
病気した場合も、自己負担分の医療費は貯蓄で賄えると計算して分かりました。貯蓄を減らしたくないから保険に加入しているという人も多いんですが、保険料をずっと払う方が貯蓄は減ると思うんですけどね。これはケースバイケースでしょうけど。
そんな感じで私の周りにも、多重債務者ならぬ、多重保険加入者が沢山います。
死亡保険金なしでも大丈夫
私の父は62才で病気で亡くなりました。当時、母は60才のパート勤務。浪費家の父だったので、資産はそう多くなく、バブル全盛時に購入した持ち家マンションも老朽化が進んでいる状況でした。そして死亡保険の加入はなし。(正確にはがん保険のみ加入していて50万ほど死亡給付があったと思います)
母は遺族年金と月数万円のパート収入で生活するようになりました。もともと贅沢をするような母ではなかったので、特に生活に困るということもなく十数年暮らしました。その後、癌に罹患しましたが、そこも公的保障で賄えましたし、今も介護保険などの公的サービスを利用して以前と変わらない生活を送っています。
私の両親に限っていえば、死亡保険金がなくても大丈夫でした。これはシュミレーションをしていたからではなく、父が保険嫌いだったので加入していなかったというだけですが結果オーライでした。
まとめ
日本は公的制度が手厚い国です。そして民間の保険は公的制度の補完を目的に設計されています。まずは万が一の場合に公的制度がどのていど助けになるのか計算して、人生のリスクがどの程度かシュミレーションしてみるのがいいと思います。
その結果不足があれば、民間保険で補うのが無理無駄のない方法です。選ぶべき保険も失敗しないように保険の仕組みも知ってもらえたらいいなと思います。
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