子どもたちが成人し、自立していく姿を見送ったとき、私は一種の解放感を覚えました。それまでずっと「母親」としての日々を全力で駆け抜けてきたからです。しかし、解放感と同時に、深い虚無感が押し寄せてきました。
ふと振り返ると、「母親」としての私以外の存在が見当たりませんでした。仕事はしていましたが、それは生活を支えるための手段にすぎず、趣味や夢、友人関係さえも、長い間子どもたちの成長を優先してきたため、薄れてしまっていました。
母としての役割を終えたあと私はどう生きるのか?
この問いが私の心に重くのしかかり、私は自分自身を取り戻すためにマインドチェンジをすることを決意しました。
自分の時間を取り戻す
まず、私は自分の時間を取り戻すことから始めました。これまでは子どもの学校行事や習い事、食事の準備といった「他者のためのスケジュール」で日々を埋め尽くしていましたが、そこにぽっかりと空いた時間をどう使うか考えることが、意外にも難しかったのです。
そこで、まずは「自分が本当にしたいこと」を書き出す作業をしました。趣味や興味のあること、気になる場所、挑戦してみたかったけど先延ばしにしていたこと。書き出していくうちに、忘れかけていた「自分自身」が少しずつ顔を出してきました。
たとえば、昔好きだった読書や映画鑑賞を再開したり、子どもが小さい頃は諦めていた旅行に一人で行ってみたりしました。初めはどこか罪悪感がありましたが、「母親である前に一人の人間として生きることも大切だ」と自分に言い聞かせながら、一歩ずつ楽しみを取り戻しました。
母親以外の自分に価値を見出す
母親という肩書きを持っている間は、その役割が私の存在価値そのもののように感じていました。しかし、子どもたちが巣立った後、私は「母以外の自分」を見つけ、そこに価値を見出す必要がありました。
そこで、自分を生かせる場を探すことにしました。まず取り掛かったのが、実家の片付けです。このことで、母とのコミュニケーションが格段に増え、実家もスッキリ片付きました。
また、仕事においても、自分のスキルを磨き直し、新たなキャリアに挑戦することを目指しました。「母親だから」と諦めてきたことも、今なら遅くないと信じて取り組んでいます。
心の充実を得た今
子どもたちが自立した後の私は、当初は喪失感と孤独感に苛まれましたが、今では新しい自分を見つける楽しさを感じています。母親という役割に縛られていた頃は気づけなかった「自由な時間のありがたさ」や「自分自身の大切さ」に向き合えるようになったのです。
もちろん、母としての経験が私の人生の大きな一部であることは変わりません。しかし、それだけではない「自分らしい人生」を歩むための道を見つけた今、私は再び生き生きとした気持ちで日々を過ごしています。
これからも、人生の第二章を楽しみながら、母親としてではなく「一人の人間」として輝ける自分を追求していきたいと思います。

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